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「LION~25年目のただいま~」は映画と実話では少し違う?
事実と大きく異なる点をまとめてみた。
映画「LION~25年目のただいま~」(原題:「LION」/制作:オーストラリア)がとても良かったのだけど、実話といっても実際どこまでが本当でどこからがアレンジしてあるの?と気になったので、海外の記事や原作本を読んで、映画と実話で大きく異なる点をまとめてみたよ。
※これから映画や本を見るという人は読まないでね。
1.兄は2人いた
カルゥはグドゥより年下、次男ということになる。グドゥとサルーが失踪した後は、カルゥが一家を支える男の子として頑張ったという。
サルーがインドを訪問し母カムラと再会したその日に、カルゥとシェキラとも再会している。皮肉な話だが、グドゥとサルーが失踪してから一家には僅かな余裕ができ、カルゥとシェキラは学校に通い、比較的良い職に就くことができたそうだ。
2.サルーの額の傷は、スイカの事故による傷ではなく、犬に追われてできた傷だった。
実の母・カムラは、失踪から25年目にして突然息子が現れた時、「顔を見てすぐにサルーだと分かった。周りがイタズラじゃないかなどと心配してきたが、サルーのあの額の傷を見てサルーだと確信できた。」と話したそう。
3.マントシュのとても辛い過去
その理由として、マントシュの辛い過去があった。マントシュは、彼の母親がどこかへ行ってしまい父親も育てる気がなく、孤児院(サルーも過ごした「リルア」という孤児院)に送られた。最悪なことに、そこで暴力や性的虐待を受けていたという。さらに養子縁組の手続きが上手くいかず、オーストラリアのブライトリー一家の元へ行くまで、2年近くもの月日が経過してしまったそうだ。
現在、マントシュはオーストラリア・タスマニアで父親と一緒に家族経営をして働いているそう。
4.助けられたのはGoogle Earthだけではない。Facebookも大きな鍵を握っていた。
映画では、サルーの育った村「ガネストレイ」(=実名「ガネッシュ・タライ」)をグーグルアースで偶然見つけた形で描かれているが、細かくは事実と異なる。
実際には、グーグルアースで偶然「ガンドワ」というガネストレイから通っていた記憶のある街を見つけ、そこからフェイスブックにあったガンドワのコミュニティページで「近くにガネストレイのような名前の村などはないか?」などと質問をしてガネッシュ・タライを見つけたそう。(ガンドワをグーグルアースで”偶然”見つけたという事実は変わらないので、そこは本当に驚く)
サルーは、家族と再会を果たしたあと再びインドを訪問した際、ガネッシュ・タライに辿り着かせてくれたフェイスブックのコミュニティページの管理者と実際に会ったそう。彼はサルーと家族との再会の話に驚き、サルーのインド滞在時にもとても協力的にしてくれたそう。
【まとめ】映画以上に「奇跡」が重なっていたように思う。
映画を観たあとに原作本や海外記事を読んで思ったのが、本当に「奇跡」の連続だったんだな…ということ。
もし、コルカタで親切なお兄さんがサルーを警察に届けてくれなかったら…?
もし、ミセス・スードが養子縁組の手配をしてくれなかったら…?
もし、フェイスブックのコミュニティで「そんな村は心当たりがない」としか言われなかったら…?
もし、ガネッシュ・タライで英語の話せるおじさんが通らなかったら…?
人生は、「機会」そして「選択」の繰り返しである。
サルーも迷子になってから多くの「機会」と「選択」があったように思えるが、
もし違う「選択」をしていても、行きつく答えは同じだっただろうか?
サルーは、オーストラリアの養子となり、教養を身につけ、恵まれた環境にあり、支えてくれる家族や友人がいたからこそ、25年目にして生みの親に再会できたのではないだろうか。
もし仮に、コルカタや他の地域で生き抜くことができて、インドでインド人として生きていたとしても、(皮肉にもオーストラリアより距離が近いのにも関わらず)家族とは永遠に会えなかったのでは… ?と個人的には思う。
本当に素晴らしい話でした。映画も原作本もおすすめです。
詳しい実話が気になる方は、原作本を読むと早いかもしれません。
▼参考サイト:
http://www.thebetterindia.com/
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